昨年秋のJAPAN PACKに参考出品した分包紙専用超音波ホッチキス「AUH30MO」(仮称・実用新案取得済)が進化しました。
対象素材 | 分包紙 薬包紙 |
---|---|
使用機器 | 超音波ホッチキス【はるる AUH30】 |
〇下記のような薬剤用分包紙を重ね、ホッチキスタイプの専用超音波溶着機で溶着テストします。
従来ホッチキス型超音波溶着機で分包紙の溶着は出来ないものとされていました。詳しくは下記をお読みください。
一包化の為に4包を重ねて溶着してみました。 ※ PTPや漢方薬(条件付き)を重ねる事も可能です。
分包紙に残る溶着痕は下記のようになります。
通常貼りつかない表面ではなく、裏側の樹脂部を引き出しカシメながら溶着するため溶着部表面は凸凹が残ります。
分包紙の性質上、使用時には溶着部を手で剥がさなくてはなりませんのでその辺りも工夫してみました。
〇 分包紙の超音波溶着について (長くなりますので下記にまとめさせていただきました)
「分包紙」をご存知でしょうか? 病院や薬局で薬を処方された時、薬剤はいろいろな包装がされています。
一般的に錠剤は表にプラスチックの突起が付いていて裏はアルミ箔、必要に応じて破って取り出すPTP( Press Through Package)と呼ばれるものに封入されていますし、粉剤は薄く四角い袋に小分けされて入っています、分包紙とは後者の四角い袋のことを言います。
この分包紙、内包された薬に湿度が伝わりにくく、また取扱い易くするために、いろいろ考えられており、大きくグラシン紙系とセロボリ系の2種類に分けられるのですが、グラシン紙系は元々が木材パルプベースで超音波溶着の対象ではありませんので今回はセロボリ系分包紙のお話をします。
「手にする薬は既にPTPや分包紙に入っているから溶着は必要ないのでは?」と思われる方も多いかと思います。
答えは、その通り! 私たちが普通手にするときには分包機という機械によって既に小分けされて出てくるのであえて貼り付ける必要はありません。
しかし、一度に沢山の種類の薬を呑む患者さんはどうでしょうか? 例えば10種類を朝昼夜に ... それもご高齢の方が ...
どの薬をどれだけの量を呑んでいいのか書かれていても悩みますよね? そこで近年主流になってきたのが、あらかじめ朝・昼・夜に服用する種類と量を分けておき、まとめて包装してしまおうという考え方、すなわち「一包化」です。
「一包化」は錠剤・粉剤だけとは限りませんし一緒に同包保存ができない薬剤もあることから、分包紙同士を重ね、さらにPTPや漢方薬なども重ねて束ねる事ができたら便利です。 そしてその方法は輪ゴムやテープ、事務用ホッチキスなどを使えば簡単です。
しかし、一般的に服用するのは高齢者が多いということは、誤飲の心配がついてまわります。 そこで異物を必要せずその費用も掛からない方法として超音波溶着が求められてきます。
ところが、これまで簡単にはいきませんでした、流通する多くの分包紙は先にお話ししたようにいろいろ工夫が施されていて一見すると樹脂に見えますしゴミ捨ての際の分別表記も「プラ」となっているのですが、実は表面がセロファンで裏面(薬に触れる部分)がポリエチレンという二層化構造になっているのです。 分包紙の表面がセロハンなのですから重ねるという事はセロファン同士を貼り付けるという事になるのですが、セロファンは透明な樹脂に見えますが、木材を原料にしたパルプです。
ご存知の通り、超音波溶着は熱で軟化する素材である「熱可塑性樹脂」を対象物としている為、セロファンは貼り付ける事ができません。
分包紙専用超音波ホッチキス(フィールドテスト機)は、そこを解決すべく開発、社内テストを繰り返して出来上がりました。
※ 市販はまだ先となりますのて現在テスト機を貸出中です。
下記デモ機貸出フォームより超音波ホッチキスを選択いただき、「コメント欄に分包紙用を希望」としてご依頼ください。
(台数が限られますので、貸出は予約制にて対応させていただきます。)
https://www.suzuki-ultrasonic.com/rental/
お問い合わせはスズキマリン 産業機器課 TEL 053-440-2306 まで
サンプル素材検証テストを依頼する スズキ超音波ホッチキスのデモ機貸出し申込み